田川地区消防本部で働く3名に聞く「現場の仕事」と「想い」

田川地区消防本部で働く3名に聞く「現場の仕事」と「想い」

長机の椅子に座った中村さん、松浪さん、大家さんが机の上で手を組み笑顔を浮かべている様子

田川地区消防本部で日々現場に立つ職員の皆さんに、普段の仕事や職場の雰囲気、消防という仕事への想いについてお話を伺いました。

火災現場に向かう消防隊、命をつなぐ救急隊、そして高度な技術が求められる救助隊。
それぞれの立場から、現場のリアルを語っていただきました。

消防車に乗っている中村さんの写真
車の前に笑顔で立つ松浪さんの写真
ロープに捕まり移動する大家さんの写真

普段はどのようなお仕事をされていますか?

中村さん、松浪さん、大家さんが長机の前の椅子に座り、インタビューを受けている様子

消防隊として火災現場への出動が中心です。救急車と消防車が同時に出動する『PA連携』もあり、救急現場にも出動しています。救助の現場にも行くことがあるので、いろんな経験をさせてもらっています。

救急隊として救急現場が中心ですが、状況によっては救助現場や火災現場へ出動することもあります。出動以外の時間は、事務作業などもあります。

救助隊として、水難救助なども含めたさまざまな災害現場に備えています。火災や救急現場へ出動することもありますし、意外と事務作業も多い仕事です。

1日の仕事の流れを教えてください

出勤して活動服に着替えたら、交代勤務の申し送りを受けます。その後、消防車や資機材の点検を行って、午前中は事務作業。昼休憩を挟んで午後は訓練や、また事務作業をしたりして、災害に備える一日になります。

中村さんが消防車の点検を行なっている様子
松浪さんが手に持った黄色いクリップボードを指差し、クリップボードを覗き込んでいる消防隊の人に説明している様子
大家さんが机上のノートパソコンを使い、事務作業をしている様子

印象に残っている現場・出来事はありますか?

初めて火災現場に出動した時のことは、今でもよく覚えています。消防学校で学んではいたんですが、現場では想定通りに動けないこともあって、無力感を感じました。

中村さんがインタビューに答えている様子
松浪さんがインタビューに答えている様子

救急隊として出動する中で、搬送中に容体が急変する場面などは印象に残ります。対応しながら、関係者の方への説明も必要になるので、判断も含めて大変だなと感じることがあります。

人が亡くなる現場はやはり印象に残ります。
特に小さなお子さんが亡くなられた現場は、忘れられません。

大家さんがインタビューに答えている様子

「消防の職場は厳しい」というイメージもありますが、実際はどうでしょうか。

訓練中は現場を想定して行うので厳しい面もありますが、普段は本当に優しく、いろんなことを教えてもらえる環境です。全体として仲のいい職場だと思います。

中村さんが消防車に乗っている写真

上下関係はもちろんありますが、相談しやすい環境だと思います。仕事以外の時間は普通に話もできるので、雰囲気は良いですね。

松浪さんが車内で訓練を行なっている様子。訓練用の人形にアンビューバッグを使用している。

消防は24時間勤務で一緒に過ごす時間が長いので、自然と距離が近くなると思います。先輩後輩関係なく、いい雰囲気でやれていると感じます。

大家さんが消防車からLUKASと書かれた道具を取り出している様子

チームで働く上で大切にしていることは?

中村さんが車内で手に持った道具を確認している様子

24時間一緒に勤務するので、コミュニケーションは本当に大事です。相手の立場に立って考えて発言することを意識しています。

周りの動きを見ながら活動することですね。自分勝手に行動しない、当たり前のことですけど、それを特に意識しています。

休憩時間など仕事以外の時間も含めて会話を多くするようにしています。お互いのことを知っておくのが、現場でも大事になると思っています。

大家さんが消防本部で事務作業を行なっている様子

市民の方との関わりで印象に残っていることは?

長机の椅子に座っている中村さん、松浪さん、大家さんがインタビュー中に笑い合っている様子

現場で『ありがとうございます』と言っていただけた時は、いつも嬉しいです。その一言が励みになります。

『女性の職員もいるんですね』と言われたことが印象に残っています。救急現場では、女性職員がいることで安心される方もいらっしゃるのかなと感じました。

松浪さんがインタビューに答えている様子

防災イベントや保育園・学校などで消防車を見せる機会があるんですけど、子どもたちがすごく喜んでくれるので、消防を知ってもらえる良い機会だと思っています。

大家さんがインタビューに笑顔で答えている様子

地域の皆さんに知ってほしいことは?

大家さんが消防車のクレーンを見上げながら、手に持ったリモコンで操作している様子

イベントや防災教室などを通して、消防をもっと身近に感じてもらえたら嬉しいです。特別救助隊というと普段は見えにくい仕事かもしれませんが、私たちも日頃から訓練や備えを重ねています。もし消防署に来る機会があれば、ぜひ気軽に声をかけてください。

この仕事をしていて「やっていてよかった」と感じる瞬間は?

小学生の頃から消防士になりたいと思っていて、高校卒業後すぐにこの仕事に就きました。夢が叶ったので、どんな現場でも『やっていてよかった』と感じます。

真剣な表情で消防車を運転する中村さんの様子
車の前に笑顔で立つ松浪さんの写真

救急で対応した方が回復されて、後日『ありがとう』と言っていただけた時は、頑張ってよかったと思います。

住民の方のために、という想いが根本にあります。日頃の訓練や備えが実って、救助が成功した瞬間はやっぱりやりがいを感じます。

逆さまでロープに掴まっている大家さんの様子

大変な時、どう切り替えていますか?

消防車の前で両手を後ろにして立つ中村さんの写真

気持ちの切り替えは得意ではないので、休みの日は趣味でリフレッシュします。山登りが好きなので、自然の中に行くと落ち着きます。どうしても難しい時は上司や家族に相談します。

これからの目標を教えてください

中村さんがインタビューに答える様子

救急救命士の資格取得を目標にしています。救急の仕事にももっと関われるように頑張りたいです。

松浪さんがインタビューに答える様子

現場の経験を積んで、先輩から学んだことを吸収しながら、後輩にも伝えられる存在になりたいです。

大家さんがインタビューに答える様子

救助以外の業務にも興味があります。どこに配属されても力を発揮できるように経験を積んで、最終的には職場でも頼られる職員になりたいです。

消防職員を目指す方へメッセージ

長机の椅子に座った中村さん、松浪さん、大家さんが机の上で手を組み笑顔を浮かべている様子

消防士になりたいと思った気持ちを忘れず、一生懸命頑張ってほしいです。

訓練や勉強が大変で辞めたくなることもあると思いますが、頑張れば夢は叶います。消防に入ってからも勉強は続く仕事です。一緒に頑張りましょう。

消防はとてもやりがいのある良い仕事だと思います。一緒に働く仲間が増えたら嬉しいです。


田川消防本部に受け継がれる伝統「冷やし麺」

伝統「冷やし麺」田川消防本部に受け継がれる

救助隊の方がだしをお椀によそい、奥にいる消防隊の人が鍋で麺を茹でている様子

インタビューの最後に、24時間勤務ならではの「消防署の日常」についても少し伺いました。
その中で印象的だったのが、田川消防本部に昔から続く伝統でもあるという「冷やし麺」です。
消防署では勤務中、交代のタイミングなどで食事を共にすることもあり、その際に出てくるのが、冷やし麺。
「麺を冷やして食べるんですが、だし(つゆ)も自分たちで作るんです。誰が作るかで味が変わって、“あの人のだしは美味しい”みたいな話もあります(笑)」
と、笑いながら教えてくれました。
忙しい現場の合間に、隊員同士が自然と会話を交わし、リフレッシュできる時間。
厳しい現場に立ち向かうからこそ、こうした伝統が署内のチームワークを支えているのかもしれません。

消防隊の人が鍋の中に麺を入れている様子